僕は2001年頃から5年くらい月1回、WONDER MISSILE(ワンダーミサイル)というライブ・イベントをひとりでやっていた。最初の1年間は、当時一瞬だけ「egg-site」と名前を変えていた現渋谷eggmanで。その後は今はなき渋谷屋根裏でやっていた。

コンセプトは「知名度・動員に関係なく(むしろ知名度・動員がないような)、良いバンドを出す!」ということ。そして、バンド主催でも企業のイベンター主催でもできないような、ある種予定調和を程よく崩したブッキングを志していた。だって、すでに盛り上がっているシーンやバンド同士なら、僕みたいな個人がやるよりバンドやイベンター企業がやった方が良いからだ。

そこには、観客動員が全然ないころの10-FEET、LOST IN TIME、野狐禅(竹原ピストル)、アナログフィッシュ、THE LOCAL ART、藍坊主、凛として時雨、avengers in sci-fi、school food punishment、Jeepta、Fed MUSIC、FREEZER NOIZE、mother coat、4 bonjour’s parties、cryv、Response、なんかもいた。ノルマはあんまりとりたくなかったけど観客動員がないもんだから、今だから言うけど毎月けっこう自腹切ってたところはあって、それに関してはちょっとしんどかった。でも、ちょっとバンドマンたちには届いたようで、だんだん「出させてほしい」みたいなことが増え、一時期はなぜかお客さんがけっこう来てくれたりもして、そんで「オムニバスCD作ろう」なんてお金出してくれる企業が現れたりして、それなりにうまくいったこともあった。でもまあ、基本は変わらず、多くの人は知らない、どこにも居場所がまだないバンド、みたいなのをせっせと呼んでいた。

僕がこのイベントをやるにあたり考えたのは「下北沢じゃなければどこでもいい」だった。wireが「ロックじゃなければなんでもいい」とか言ったのを真似た、というわけじゃないが、下北沢が嫌いとかではなくて、むしろ好きな街ではあるんだけど、シモキタザワな予定調和には巻き込まれたくないと思ったのだ。この辺、単にへそ曲がりなだけなのかもしれないけれど、とにかくそう思ったのだ。「渋谷系」崩壊後の渋谷は、サイクロンやGIG-ANTICのミクスチャー・パンク・メロコア・ハードコアシーンはあったんだけど、「渋谷の音」みたいなものはライブシーンにはあまり明確になかったように僕は勝手に思った。だから良いな、と思った。だって何か良くわからないことをやろうとしていたから。

そう、僕は「よくわからないこと」が大好きなのだ。そして、自分にはどこにも定まった居場所がなかったもんだから、場所だってどこでも良かった。いっそいろんな所にいるたちが混ざったり、居場所がないひとたちが出会ったりすれば良いんじゃないか、と思っていたんだなあ、とも思う。

実は、縁あって、ひどく久しぶりにイベントのブッキングを少しばかりお手伝いした。

6/19(月)に下北沢CLUB QUEで開催される

「その情景に溶けた音色」

というイベントだ。そこに、僕からぜひ「シモキタザワ」のひとたちに聴いてほしい、違う世界の音を出す、だけど多分、シモキタザワのひとたちにも何か響く、予定調和ではない化学反応を起こしてくれるバンドを少しお呼びした。「シンジュク」の人たちもぜひ下北沢に行ってほしい。

6月19日(月)下北沢Club Que『その情景に溶けた音色』

aoni/rem time rem time/esola
perfect blue umbrella/The Life Plant

OPEN 18:30/START 19:00
ADV.¥2,500/DOOR.¥3,000 [1D別]