思いつきメモ。新曲も、曲数も、アーティストにとって必ずしも必要ではない時代なのかもしれない。

今、リスナー側からすると、YouTube などを中心に視聴しているときに、なんらかの目的をもって調べて聴いている場合を除いて、その曲が新しいのか古いのかは、あまり関係なくなっている。ある意味全部新曲ともいえる。そして、アルバム文化というものが、その存在意義は残るにせよ全体の趨勢として崩壊してしまっているのだから、かつてよりも曲数は必要とされていない。「良い曲をいろいろ聴きたい」のだ。だから、人によっては、これが自分の伝えたい、表現したい作品だ、というものを絞ってやっていくこともありなのかもしれない。

もちろん、本人の創作意欲として次々と新しい曲を作りたいという場合は話は違うのだが、いろんなアーティストと出会ってきて、才能の問題ではなくて、その人の資質として、必ずしも皆が多作志向ではないし、ときには作れないときもあると感じている。そこで無理して新曲をたくさん作るというのは、人によっては作家としてのトレーニングという意味はあるかもしれないが、もしかしたら、人によってはビジネス的には時代遅れで、しかも単に疲弊させてしまうだけの場合もあるのかもしれない。

規模の大小は問わず、ツアーを行って、物販を含めたそこでの収益が重要で、また、そういうカルチャーが成立しているというタイプの人たち(パンク系とか)は、定期的に新しいモノがある方が良いと思うが、それが創作意欲からではなくビジネス的な要請からそうしているというのであれば、(それはまったく悪くないのだけど)、そういう割り切りで作っているという自覚は必要かもしれない。

というようなことを考えた。