「現実的に考えなければならない」「現実に適応しなければならない」
しかし「現実=正しい」ではない、ということは忘れてはならない。
そもそも「正しさ」とは何か?という話にもなってしまうのだろうが、ここでは「人が皆、その尊厳を保って幸せに生きていくこと」といったものを正しさだと仮定する。
「現実に適応する」ということは、僕らが生きていく上ではもちろん必要なことではある。しかし、生きていて苦痛を感じた時、その痛みは自分自身に対して何らかの警告を出してくれていることでもある。その信号を無視すると、ときには危険な状態になってしまう。もしかすると、適応したというよりは、むしろ感覚が麻痺した、と言った方がふさわしい場合もあるだろう。そのようにして「現実に適応することは正しい」と思い込んで「麻痺」した人間は、大量に虐殺だってやってしまえる。
痛みを感じたら、そっと離れる、離れられないのであれば、せめて、その痛みは自分のせいではないと思うようにする方が良いと思う。痛みに麻痺した多数派の方が正しくないことだってあるのだ。
「痛みを伴った現実」に適応することを、それが正しいことであるとして要求してくる人間や権力に対しては、まず疑ってかかるべきだ。そして、痛みから離脱したい人を無神経に蹴落とせるような人間の語る「現実」は、強者による暴力でしかなく、そんなものに僕らが麻痺してまで適応する意味はない。
投稿者: TESHIMA masahiko
1971年生。鹿児島県出身。出生地は大分県日田市。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。ミュージシャンとしてインディーズ、メジャーレーベルから数作品発表。また、音楽事務所にて音楽制作、マネジメント・スタッフを経て、専門学校ミューズ音楽院にて新人開発室、ミュージック・ビジネス専攻講師を担当。多数のアーティスト輩出。産業カウンセラー、音楽関連のライター、保育士資格保持者。「文化・芸能業界のこころのサポートセンターMebuki」所属カウンセラー。音楽・エンターテイメントのフィールドでのメンタルヘルスや発達障害などの特性に対する理解の重要さについて発信し続けている。
2016年、精神科医の本田秀夫氏との共著『なぜアーティストは生きづらいのか?~個性的すぎる才能の活かし方』を リットーミュージックから出版。アマゾンの予約の段階で音楽一般カテゴリで1位を獲得。
2016年、音楽プロデューサー・牧村憲一総合監修の「音学校」にて「ミュージシャンファーストマネジメント」ゼミを特任講師として担当。
各種講演・トークイベント、WEB連載を行なっている。
2019年「なぜアーティストは壊れやすいのか?~音楽業界から学ぶカウンセリング入門」上梓(SW)
2024年4月22日『アーティスト・クリエイターの心の相談室 創作活動の不安とつきあう』上梓(福村出版)
TESHIMA masahiko の投稿をすべて表示