10月10日は「世界メンタルヘルスデー(World Mental Health Day:WMHD)」でした。

これは、メンタルヘルスへの認識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、世界精神保健連盟によって制定された国際記念日で、2023年には、「MENTAL HEALTH IS A UNIVERSAL HUMAN RIGHT(メンタルヘルスは普遍的な人間の権利です)」と宣言しています。

この「メンタルヘルスは普遍的な人間の権利」ということは、当たり前の話のようでありながら、わざわざそう言わなければそのように扱われていないからこそ、このように改めて宣言しなければならなかった、ということでもあるように思います。

また、「メンタルヘルスについて考えること」は、詰まるところ「人権について考えること」だとも思います。

まず、代表的な精神疾患は他の身体の病気と同じく、脳という器官が「病によって」損なわれているわけで、それは差別や偏見の対象になることは決してあってはならず、病として適切な治療・配慮・調整が求められるものです。

また、人は一人として同じ人間はいません。そしてその違いは全てできる限り尊重されなければなりません。それはつまり「人権」を大切にするとこうことであり、それが欠けてしまうと、メンタルヘルスは損なわれてしまう可能性が高まってしまいます。

そうならないようにするためには、「社会」という、人々が生きている「環境」のことを考える必要があります。

生きていく上で誰かに何らかの障害が環境のせいで生じているのであれば、それは個人の問題ではなく、環境の問題です。そして多くの問題は環境側にあります。

しかし、環境は多数派や、特権・権力を持っている側に合わせて作られがちです。それを適切な状態に調整していくためには、「政治」が必要です。そして政治を適切に機能させるためには、それを考えること、参加すること、が必要です。

メンタルヘルスと無縁な人は、世界に存在しません。それは「身体的な健康」と生きていく上で無関係な人間が一人もいないことと同じことです。その無関係な人がいない問題は、人権や社会、政治と無関係ではいられない、つまり、人権や社会・政治と無関係な人もいない、ということなのだと思います。

『アーティスト・クリエイターの心の相談室』という本を発表して半年が経ちました。「アーティスト・クリエイター」とタイトルをつけてはいますが、アーティストやクリエイターの世界を眺めながら、実は多くの人とも共通する、この社会の問題についても考えるヒントもなるのではないかと思います。

ご一読いただけますと幸いです

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