金子書房さんのnoteで臨床心理士・公認心理師・俳優:小野寺史穂理さんとの対談連載「文化・芸能業界のメンタルヘルスを考える」の 第8回は「アスリートと文化芸能分野の類似点・相違点」がテーマです。今ちょうど冬季五輪開催中というタイミングでもありますので、ぜひご一読いただけると幸いです。

以下、ポイントとなる研究結果などの抜粋です。

◾️JOCが2025年に強化指定選手を対象に初めて行った網羅調査によると全体の約24%、つまり約4人に1人が「最近うつ傾向を感じる」という結果

◾️トップ選手には常に「勝利」「結果」「期待」というプレッシャーの中で戦い続けていること、競技生活だけでなくケガや将来のキャリアへの不安、さらには一般の方からのSNSの反応など、さまざまなストレスが重なってしまうことが原因

◾️ちなみに文化芸能分野では、イギリスで100年以上活動しているEquityという舞台芸術とエンターテインメントの労働組合が2022年に行なった調査によると、舞台芸術従事者は一般人口の2倍の確率でうつ病を経験している。イギリスの一般人口の6%が毎週不安症状を経験するが、舞台芸術分野ではその割合がはるかに高く、ダンサーでは24%、オペラ歌手では32%、演劇学校では52%、俳優では60%、ロックミュージシャンでは90%となっている。

◾️慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの木村豪志氏、佐藤和毅氏らが1万人以上の日本人大学生アスリートを対象に行ったメンタルヘルス不調に関する調査によると、大学生アスリートのメンタル不調の有病率は2.4%で、過去の研究の中で報告されているトップアスリートでの有病率の19~34%と比べると「桁違いに低い」。その背景にはかなりの学生アスリートが医療専門家の助けを「求めようとしていない」とも考えられる。だからこそ売れたり結果が出たりするずっと前からケアは必要。